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変態ですけど、何か?

第8章 暴走

その後も、渡辺はあたしに服を着ることを許さなかった。

エンドロールが流れるまでの間の2時間、渡辺は、あたしにオナニーするように命じた。

右手で乳房を揉みながら、左手でクリトリスを愛撫する。
疲れてきたら、左右の手を逆にして。

エンドロールが流れはじめて、ようやく服を着ることを許された。

あたしは場内が明るくなる前に、慌てて服を着る。
パンストはグショグショで使い物にならないので、履くのはやめた。

お客さんたちが立ち上がらなかったのは救いだった。
でも、心の奥では、間に合わずに見られてしまう事を渇望していた。


車に再び乗せられて訪れたのは、郊外にあるビデオ試写室と看板の掲げられている建物だった。

渡辺に連れられて店に入ると、狭い通路の両側には、アダルトDVDがぎっしりと並んでいた。

店内にいるのは、学生らしい男の子、サラリーマン、肉体労働者らしいガッシリとした体格の男。
彼らの舐めるような視線が、唯一の女であるあたしに集中する。

そんな中で、あたしの目を引いたのは、何人かの女装した人たち。

話には聞いたことはあるが、彼らはここに、男を求めて集まってくるのかしら?

あたしが考えていると、
「好きなのDVDを選べ。俺も探すから」

そんなこと言われても、アダルトビデオなんてほとんど見たことがないのに。
色々なジャンル別に並んでいるけど、男客の視線が気になって、ゆっくり探してなんかいられない。
手近にあったDVDを何本か手に取って、渡辺を探す。

「じゃあ、あそこのカウンターで、6時間で部屋を取ってもらうんだ。マットレスの部屋って言うんだぞ」

金髪の男が2人、何やら雑談しながら笑っているカウンターに、あたしは近づいていく。

「いらっしゃい、お姉さんどうぞ」

大きな声であたしに声を掛ける。

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