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変態ですけど、何か?

第8章 暴走

「事情は知らないけど、さっきから気になってたんだ。何となく、普通の変態、あ、ごめん。
僕も変態だから、許して。
普通のカップルと違うなって思って」

あたしが何も言えないで黙っていると、

「とにかく乗らない?駅まで送るよ。
僕、こんな格好してる変態だけど、女の子に悪さするような奴じゃないよ。
ここから駅まで1時間は掛かるし、タクシーも流してないから」

「うん」

あたしは女装さんの助手席に乗った。

ちょうどその時、渡辺が店から飛び出してきて、
車の方に走ってきた。

女装さんは、車を発進させた。


「追いかけては来ないと思うけど、ちょっと飛ばすね」

そう言うと、車と車のの間を鮮やかにすり抜け、どんどん前に躍り出ていく。

「運転、上手なんだ!」

あたしが感嘆して言うと

「ありがとう。僕、少しだけど、レースをかじってるから」

「へえ!スゴい」

「そんなことないよ。普段はサラリーマンしてるサンデーレーサーさ。いっつもリタイアで、大きな大会なんて、夢のまた夢」

「こんなに上手いのに・・・」

あたしは、言った。

「それより、名前くらい知りたいな。僕は、篠原淳也。趣味はレースと女装。はははっ!」

「あたしは柚木里帆。普通のOLだけど、変態」

「じゃあ、趣味が合いそうだ。さっきの男は、彼氏?」

あたしが、少し考えていると

「別に言わなくて良いよ。性癖は、人には理解できない事もあるからね」

それを聞いて、あたしは話す気になった。

「彼は、今日SNSで知り合った人。今、篠原さんが言ったとおり、あたしは変態で、露出狂なの。どんな男でも、女でもセックスする淫乱なのよ」

「そうなんだ」

淳也は、特に驚く様子もない。

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