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変態ですけど、何か?

第9章 診療過誤 ~秋野玲子とのこと~

部屋にこもって、もう一度玲子の行き先について何かヒントがないか、思い返してみるけど、
やっぱり何も浮かばない。

どうしよう、

どうしよう。


いつものように、パパが帰って来てあたしを呼ぶ。

「ごめん、ちょっと気分が悪いの」

「大丈夫か?ご飯出来たら呼ぶから、それまでゆっくり休んでろよ」

「はーい」

返事だけして、部屋から出ない。

こんな顔をパパに見せられない。


リビングから、テレビの音が聞こえてくる。

「あれえ、あの人、亡くなったんだ?」
パパの声がした。

あたしの背筋に、急に悪寒が走った。

「誰が?」

あたしがドア越しに聞くと、

「あの、何とか美容外科の人だよ」

パパの暢気な声に反して、あたしはリビングに飛び出した。

ニュース速報で、伝えていたのは、

玲子の死だった・・・。

「きゃあああぁ!いやああぁ!」

あたしはテーブルを拳で叩いた!

「玲子!玲子ぉ!」

パパが驚いてキッチンから飛び出してきて、あたしを羽交い締めにした。

あたしは髪を振り乱し、泣き叫ぶ。

「玲子!れいこぉぉぉ!」

パパは、あたしを抱き締めたまま、

「落ち着け!落ち着け!」

と、繰り返す。

「玲子!玲子!」

バシッ!

半狂乱で叫び続けるあたしを振り向かせ、
パパがあたしの頬を思い切り打った。

「落ち着け!里帆!いったい何があったんだ!」

パパは、あたしを抱き締めた。



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