物忘れシリーズ おまわりさんがきた
第1章 おまわりさんがきた
駆けつけて置き去りにされた赤ちゃんを見て自分の子供だったから滅茶苦茶驚いたとのことだ。
慌てておふくろに電話したら、いつもと同じように掃除や洗濯をしていたおふくろも初めて赤ちゃんがいないことに気がついて滅茶苦茶驚いたらしい。
赤ちゃんを置き忘れて全く気がつかなかった親父とおふくろは警察の偉い人から厳重注意を受け、アルツハイマーの疑いで夫婦揃って病院で精密検査を受けることとなった。
診断結果は何も異常はなく、夫婦揃って物忘れが激しいということだった。
「いやあ、あの時は面目ない。わははは、わははは」
「まいっちゃったわね。ほほほほ、ほほほほ」
夫婦揃って盛大にやらかしを誤魔化す大笑いをしている。
まったく笑い事じゃないよ。一歩間違ったら赤ちゃんのボクはどうなってたか分からない。今こうして生きていることに、ものスゴく感謝してるよ、ボクは。
でも、いつものやらかしのレベルを超えた大失態をした時のこのメチャ盛大な誤魔化し笑いはどこかで見たことがあるぞ。どこだったかな?
あっ、思い出した。高校の合格発表の時だ。
高校の合格発表は先生が見に行って連絡をくれるので生徒は自宅待機というようになっていた。
両親は気が気じゃなくて、親父は休暇を取って夫婦揃って合格発表を見に行ってくれた。
両親は真っ青な顔をして泣きながら帰ってきた。不合格だったと落胆して、涙目になりながらも一番辛いボクを何とか励まそうとしてくれた。
そんな重苦しい雰囲気の中担任の先生からの電話がきた。合格を知らせる電話だった。
何と、両親はすっかり勘違いをしてボクが受験したのとは違う学校に合格発表を見に行っていたのだった。
「わははは、わははは、学校を間違ったんじゃ名前なんていくら探してもあるわけないよな~。わははは、わははは」
「ほほほほ、ほほほほ、あんなに確認したのに何で違う学校行っちゃったかしらね~。ほほほほ、ほほほほ」
あの時もメチャメチャ盛大に大笑いをして自分たちの大失態を誤魔化していたな。
でも、大爆笑をしながらふたりとも嬉し涙を流していたのをボクはちゃんと見たよ。
いつもボクのことを大切に思ってここまで育ててくれてありがとうね。
今日の夕食は久しぶりにボクが帰ってきたからうなぎを取ってくれたとのことだ。
しかし、いつまで待っても出前が来ない。
慌てておふくろに電話したら、いつもと同じように掃除や洗濯をしていたおふくろも初めて赤ちゃんがいないことに気がついて滅茶苦茶驚いたらしい。
赤ちゃんを置き忘れて全く気がつかなかった親父とおふくろは警察の偉い人から厳重注意を受け、アルツハイマーの疑いで夫婦揃って病院で精密検査を受けることとなった。
診断結果は何も異常はなく、夫婦揃って物忘れが激しいということだった。
「いやあ、あの時は面目ない。わははは、わははは」
「まいっちゃったわね。ほほほほ、ほほほほ」
夫婦揃って盛大にやらかしを誤魔化す大笑いをしている。
まったく笑い事じゃないよ。一歩間違ったら赤ちゃんのボクはどうなってたか分からない。今こうして生きていることに、ものスゴく感謝してるよ、ボクは。
でも、いつものやらかしのレベルを超えた大失態をした時のこのメチャ盛大な誤魔化し笑いはどこかで見たことがあるぞ。どこだったかな?
あっ、思い出した。高校の合格発表の時だ。
高校の合格発表は先生が見に行って連絡をくれるので生徒は自宅待機というようになっていた。
両親は気が気じゃなくて、親父は休暇を取って夫婦揃って合格発表を見に行ってくれた。
両親は真っ青な顔をして泣きながら帰ってきた。不合格だったと落胆して、涙目になりながらも一番辛いボクを何とか励まそうとしてくれた。
そんな重苦しい雰囲気の中担任の先生からの電話がきた。合格を知らせる電話だった。
何と、両親はすっかり勘違いをしてボクが受験したのとは違う学校に合格発表を見に行っていたのだった。
「わははは、わははは、学校を間違ったんじゃ名前なんていくら探してもあるわけないよな~。わははは、わははは」
「ほほほほ、ほほほほ、あんなに確認したのに何で違う学校行っちゃったかしらね~。ほほほほ、ほほほほ」
あの時もメチャメチャ盛大に大笑いをして自分たちの大失態を誤魔化していたな。
でも、大爆笑をしながらふたりとも嬉し涙を流していたのをボクはちゃんと見たよ。
いつもボクのことを大切に思ってここまで育ててくれてありがとうね。
今日の夕食は久しぶりにボクが帰ってきたからうなぎを取ってくれたとのことだ。
しかし、いつまで待っても出前が来ない。