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誓いのガーランド

第3章 繋がる輪 2

楓は、花実の立ち去った方向を見ながら、くしゃみを1つした。

「っくしゅっ……!! んぁ〜……」

彼女のスカートに白くて細い猫の毛が付いていたことに気づいていた。

「ありゃ、猫だなぁ…… 」

猫飼ってるなんて、聞いたこと無かったけれど……と、飲み会の時に同僚達としたペット話の記憶を遡る。

猫アレルギー持ちの楓の体は少しだけ、反応していた。苦笑しながら呟いた後に、ポケットに飴を入れ直して、扉に手をかける。

花実に覗き込まれた時の顔を、ふと思い出しては打ち消した。

「……おはようございまーす」

楓は、少し鼻声の、間延びした声でフロアに声をかけながら、自分のデスクへと向かった。

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