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誓いのガーランド

第18章 嵐のあとに 1

花実は起きている時間より、寝ている時間の方が多くなってしまった。楓は、起きた花実に「おはよう」と声をかける。
何か食べられそうか、声をかけても、花実は首を横に振った。

「何もかもがつらい。起きていたくないんだ」

そうやって、一筋だけ涙を流すと、また夕方まで眠りにつく。花実は寝ることで、自分の身を襲った衝撃的な出来事を忘れようとしているかのようだった。

楓はそんな花実を、見ていることしかできない。

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