テキストサイズ

誓いのガーランド

第18章 嵐のあとに 1

花実は事件後、誰かに触れられるのを極度に怖がった。楓ですら、その恐怖は拭えない。

一度、花実の手を握ろうとした時、酷く強い力で振りほどかれた。

「やめて!!!」

2人きりの部屋。反射的に空間を切り裂くような花実の声に、楓の心も半分になってしまったかのように傷んだ。

花実は拒んだ後に、我に返った。自分の声とその行動を受け入れられずに、動揺して涙を流した。

「あ、あ、うそ……ごめん……楓……ごめん……違う……違うの……ごめん、ごめんね……」

混乱して、何度も何度も謝りながら泣きじゃくる花実に、楓はかける言葉が見つからなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ