テキストサイズ

誓いのガーランド

第19章 嵐のあとに 2

「そうだね、夕立か」

ざぶざぶと降る雨に、作業部屋の椅子に座りながら、楓も窓の外を見つめる。

楓は少し休憩しようと、冷凍庫からバニラのカップアイスを2つ取り出して、花実の横へやってきた。

「花実」

雨に夢中になっている横顔に、声をかける。
振り向いて、楓の手に持っているものに気づくと、目を輝かせた。
楓はスプーンとアイスを花実に渡すと、1人分のスペースを空けて、花実の隣に座り込んだ。

「ありがとう」

花実は嬉しそうに蓋を開けて、微笑みながらスプーンを口に運ぶ。ひとくち、口に入れた瞬間に、「ふふ」と笑みを漏らしながら、味わう。

楓はそんな花実の姿を見て、嬉しくて、涙が出そうになるのをぐっと堪える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ