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誓いのガーランド

第19章 嵐のあとに 2

ようやく、前みたいに笑う花実が、見られるようになった。

空を見上げるふりをして、零れそうになる涙をそっと抑えた。楓は急に熱くなった喉の奥を冷やすように、アイスをひとくち、口に含んだ。
それを、流れそうになっていた涙と一緒に飲み下す。


2人は無言でアイスを口に運ぶ。
雨の音がより一層強くなり、雷の音も遠くから響き出した。日が落ちてきて、徐々に、空は灰色が強くなってくる。
ふと、花実が口にした。

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