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誓いのガーランド

第21章 嵐のあとに 4

それと、問題は花実の体力だけではなかった。
家から出ることへの恐怖心も、花実から取り払わなくてはならない。
まず、花実は家のドアを1人で開けられなかった。

いざ、外へ。

そう思ってドアノブに手をかけるのに、手が震えて、捻って前へ押すことができないのだ。
開けたら、あの気持ち悪い笑顔のあいつがいるかもしれない。そう思ったら、もう開けられなかった。
立ち尽くす花実を見て、後ろから楓は助け舟を出す。

「……焦らず、練習しよう。無理もないよ」

少なからず、楓にとってもそれはショックなことだった。

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