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誓いのガーランド

第5章 繋がる輪 4

浴槽に響いていた、太い水の音を止める。たちまち湯気が上った。

花実のバスタイムは、入浴剤を選ぶところからはじまる。
今日はお気に入りの入浴剤から、カモミールの匂いを選んで、浴槽に落とした。

錠剤の形をしたそれは、「とぽん」と音がして沈みこんでは、浮いてくる。

入浴剤がシュワシュワと溶けるのを待つ間に、シャワーを浴びる。
ひと通り体を洗い終えると、洗った髪の毛にタオルを巻いて、足先からゆっくりと熱い湯船に浸かった。

目を閉じて、カモミールの香りを鼻からゆっくりと吸い込む。肺が温かい空気で満たされた。
疲れた体と心を、カモミールの香りが包んでいた。少しずつ、体がほぐれていくのを感じる。

足を伸ばして、肩までしっかり沈みこんだ。
体がじわじわと温まるまで、鼻歌を歌う。

リラックスした頭は、自然と、心に引っかかっていたところで思考を止めていた。


帰って来るまで、まるで忘れていたこと。

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