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誓いのガーランド

第24章 ひかりの輪 2

瞬きすると、知らないうちに溜まっていたものが、目からこぼれ落ちる。

泣いていた。

温かいものが、目頭を伝って、水音を立てて、枕に落ちた。
動いて、彼女を怖がらせないように、目を瞑った。目を瞑っていても、次から次へと、温かい雨は止まない。彼は、肩を震わせないように、ゆっくりと息をした。

止まらない涙に、楓は自分の気持ちを自覚した。
ずっと、ずっと待っていた。ずっとずっと、この温度が恋しかったんだ。と。

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