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誓いのガーランド

第12章 花冠の代わりに 5

その後も、お互い、ポツポツと会話を繋げる。
花実は矢継ぎ早に頭の中に話したいことが浮かぶのに、全てが言葉にならず、沈黙へ落ちていく。
だけれど、その沈黙すら心地よかった。

その中で、花実の体力が限界を迎えていた。
どっと眠気が襲ってくる。
話し足りなさと眠気が戦って、眠気に呑まれていく花実に、彼が優しく言った。

「ごめんね、寝ていいよ。起きたらまた話をしよう」

花実の背中を、彼の大きな手がさすって、体全体が彼の中に埋まる。
花実は、彼の胸に頭を預けると、そこで眠りに落ちていった。

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