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誓いのガーランド

第12章 花冠の代わりに 5

「もー……ジョセフよりSだったよ……」

花実は少し疲れた顔で言う。
ほっと息をつくと、快感と衝撃と、色んなことがいっぺんに押し寄せすぎた後は、受け入れることが精一杯だった。

「俺の中のジョセフはね」

「読者とのイメージに差異がある」

「でも、気持ちよかったんでしょ? 少なくとも宇吹さんの体は喜んでた。作者の言うことは絶対、俺はジョセフの生みの親」

「なんと乱暴な作者様だこと」

花実が笑いながら言う。
彼も笑うと、花実を更にぎゅっと抱き寄せた。

「というのは冗談で。あれは9割以上俺。ジョセフは狼男だけど、もっと真摯な抱き方だ」

「うん……でも、角村くんも結構優しいと思ったけれど」

「少なくともジョセフは、言葉攻めをあんなにしないかな」

角村は、ニヤリと笑みを浮かべて、腕の中にいる花実を見下ろす。

「なっ……!!!」

自覚ありかよ! 策士だなぁ……

花実は言葉を詰まらせた。
まんまと彼の策にのせられてしまった自分が、少し悔しかった。

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