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｢花実……助けて、人間の住む部屋じゃなくなってきた｣

週末、げっそりとした声が電話口の向こう側から聞こえて、慌てて飛んでいくと、それはもう酷い惨状だった。

人間、どうしようもなく忙しくなってくると、まず真っ先に犠牲になっていくのは自身の生活だ。
花実はいちばん大きいゴミ袋を広げて、キッチンからガンガン掃除をしていく。
カップ麺の殻か、コンビニ弁当の殻しか落ちていないキッチンに、その忙しさが垣間見える。

楓はいっそうクマが酷くなった目で、テキパキと動く花実を見つめることしかできなかった。

｢花実、ごめん……｣