テキストサイズ

誓いのガーランド

第13章 花畑の来訪者 1

「もう!いいから1回横になって寝て!!」

想像していたより酷くやつれた彼の顔に、心配になって怒号を飛ばす。

「でも原稿が……」

「締切いつ?」

「伸ばしてもらって……今日の夜……」

いつもは部屋を小綺麗にしている彼が、忙しさのあまり年に数回こんな状況になるという。

なんて言ったって、売れっ子作家だ。
もう次の仕事の話も来ているという。
連載を続けるのですら大変なのに、会社で普通に働いているのだから、生活は回らない。

しかも運悪く、今回は会社の繁忙期と被ったわけで。
会社の繁忙期を差し引いても、作家と会社員、いままでよくこの状況で1人でやってきたもんだと、花実は感心していた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ