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一時を悠久の時へ

第1章 夜更け

夜も更け、川の流れる音だけがする

そろそろ御社から起きて辺りを巡回する時間

昼間は小さな神社とはいえ

誰か来てお参りしたりお願いされたりする

一応神様だから頻繁に御社を

離れる訳にもいかない

もっと真面目に修行して位が上がれば

離れててもいろいろわかるけど

いまいちやる気が出ない

まぁ…そりゃ夜に来る人も居るっちゃいるけど

そんな時間に来る奴はろくな願い事じゃない

そんな願いは殆ど無視するけど

聴いてしまったら気にはなるし気分も良くない

だから敢えて夜中に巡回する

これでも神様だから結界とか張って

この街の人達が少しでも

安全に穏やかに暮らせるようにしてる

その方が余計なお願いされないから

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