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一時を悠久の時へ

第20章 それからの彼等

親の今の暮らしを聞いて何を思っているのか

華炎は膝の上で堅く手を握りしめ俯いていたが

不意に顔を上げて真っ直ぐな瞳が俺を捉える

華「淡河…聞きたい事があるんだけど…」

淡「ん?何を聞きたい?」

華「千陽美の父と母は今…
私が消えて…幸せ…なんだよね?」

どうかそうであって欲しいしと

目で訴えかけてくるが…

淡「華炎…いや…
千陽美が居なくなったからとて
幸せになれるかどうかは彼奴ら次第だ」

華「幸せ…じゃないって事?」

淡「幸せか…何が幸せか…
本人しか…いや…自分でも解らぬかもな」

華「そっか…でも…私が消えて…
それで前よりも…少しは幸せ…だよね」

俯いていて表情はわからぬが…

声は震え無意識で自分で体を抱きしめる華炎

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