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一時を悠久の時へ

第11章 異変

そんな心のもやもやを抱え

そろそろ籠目は七歳になる

このまま何事も無ければ

そのうち俺達の姿も見えなくなり

気配すら感じることも無くなって

俺の元に来ることも無くなり忘れていくだろう

例え傍から見れば最悪な母でも

それなりに人として暮らして行く事になる

それもまた籠目の運命として

お互いに受け入れるしか無いだろう

そうやって自分を納得させるように

川の上流の澄んだ水で気を鎮め諦めかけた頃

籠目の異変を察知する

阿形と吽形が必死に抑えている

慌てて水から飛び立ち空に昇り駆けつける

あまりにも勢いよく駆け昇った拍子に

上空から見下ろしたら

水飛沫で被害が多少出たが後でなんとでもなる

今はただ籠目の元へそれだけだ

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