まどろみは君の隣で
第1章 安全なラブソング
「週末英太くんが遊びに来るって」
「……え」
英太くん。今井英太。私の初恋の人。そして、頭にこびりついていつまで経っても離れてくれないもう一人の幼馴染み。
その日は少しだけ顔を見せて友達の家に避難しよう。会いたくない。まだ、顔を合わせるのは痛い。
「……静菜」
透くんの長い指が顎を掬う。強制的に顔を上げさせられた目の前には、その辺のイケメン俳優にも劣らない整った顔。ちゅ、と。一度だけ柔らかい唇が私の少しかさついた唇に触れる。
「今日帰ってきてお風呂に入ったら俺の部屋においで」
透くんには、忘れられない人がいる。詳細は知らないけれどずっと昔に恋をした人だと透くんは笑っていた。
……私たちは、お互いの傷を舐め合うように。心の隙間を埋めるように体を重ねる。誰にも言えない、悟られてはいけない、秘密の関係。
「……わかった」
透くんの体温が離れるときは、いつも不安で悲しくて寂しい。
「……え」
英太くん。今井英太。私の初恋の人。そして、頭にこびりついていつまで経っても離れてくれないもう一人の幼馴染み。
その日は少しだけ顔を見せて友達の家に避難しよう。会いたくない。まだ、顔を合わせるのは痛い。
「……静菜」
透くんの長い指が顎を掬う。強制的に顔を上げさせられた目の前には、その辺のイケメン俳優にも劣らない整った顔。ちゅ、と。一度だけ柔らかい唇が私の少しかさついた唇に触れる。
「今日帰ってきてお風呂に入ったら俺の部屋においで」
透くんには、忘れられない人がいる。詳細は知らないけれどずっと昔に恋をした人だと透くんは笑っていた。
……私たちは、お互いの傷を舐め合うように。心の隙間を埋めるように体を重ねる。誰にも言えない、悟られてはいけない、秘密の関係。
「……わかった」
透くんの体温が離れるときは、いつも不安で悲しくて寂しい。