ブルー・ブルー
第1章 1
「岡田」
呼ばれた声に心当たりがあったからビクッと体を揺らすと同時、盛大に顔をしかめた。そしてそのまま、最上級に不細工な顔で振り返る。後ろに立っていたのはやっぱり私が思った通りの人で、きっと普通なら笑ってしまうような私の超不細工な顔を生真面目な顔で見下ろしていた。
「悪いがこの部分について詳しく説明してほしい」
真壁亘。25歳。背が高く、学生時代にスポーツをしていたらしくスーツを着ていてもわかるガッシリとした体格。そして凛々しい顔。無口だしあまり喋らないけれど、そんなところも女子からすると可愛いらしい。そういうわけで、同期の中だけでなく先輩にも後輩にも大人気の彼は何故か。
「分かった。ところで今夜食事に行かないか」
私のことが好きらしい。同期と言っても、彼が私のいる部署に異動してくるまでほとんど話したこともないのにどうして私なんだろう。彼なら選り取り見取りだろうに。
「ごめんなさい、今夜は用事が」
「合コンか」
わざと営業スマイルを貼り付けて断りの言葉を言ったのに、彼の言葉にその笑顔には一瞬でヒビが入った。彼は真面目である。その上、冗談が通じないしデリカシーもない。
呼ばれた声に心当たりがあったからビクッと体を揺らすと同時、盛大に顔をしかめた。そしてそのまま、最上級に不細工な顔で振り返る。後ろに立っていたのはやっぱり私が思った通りの人で、きっと普通なら笑ってしまうような私の超不細工な顔を生真面目な顔で見下ろしていた。
「悪いがこの部分について詳しく説明してほしい」
真壁亘。25歳。背が高く、学生時代にスポーツをしていたらしくスーツを着ていてもわかるガッシリとした体格。そして凛々しい顔。無口だしあまり喋らないけれど、そんなところも女子からすると可愛いらしい。そういうわけで、同期の中だけでなく先輩にも後輩にも大人気の彼は何故か。
「分かった。ところで今夜食事に行かないか」
私のことが好きらしい。同期と言っても、彼が私のいる部署に異動してくるまでほとんど話したこともないのにどうして私なんだろう。彼なら選り取り見取りだろうに。
「ごめんなさい、今夜は用事が」
「合コンか」
わざと営業スマイルを貼り付けて断りの言葉を言ったのに、彼の言葉にその笑顔には一瞬でヒビが入った。彼は真面目である。その上、冗談が通じないしデリカシーもない。