ブルー・ブルー
第1章 1
「ねぇ、でも何でそんな嫌いなの?」
「元カレに似てる」
「理不尽!」
里穂ちゃんの言う通りだ。でも、あの浮気性の彼にとてもよく似ているのだ。性格は正反対だけれど。奴の顔を見ていると元カレを思い出す。だから別に、奴自身が嫌いなわけじゃない。奴が悪い人じゃないことくらい充分すぎるほど知っている。でも、私はまだ。男の人を信じるのは怖い。
「ちゃんと真壁くんと向き合ってあげなよ」
「……」
昼食を食べ終えたらしい奴は立ち上がり食器を返すと、食堂の出口に向かう。その途中、不意に目が合って。なかなか笑わない彼が少しだけ、ほんの少しだけ口角を上げて、穏やかな顔をした。
「あんなに愛されてるんだからさ」
里穂ちゃんの言葉に、私は慌てて奴から目を逸らした。知っている。私は、溺れるのが怖いだけだ。
「元カレに似てる」
「理不尽!」
里穂ちゃんの言う通りだ。でも、あの浮気性の彼にとてもよく似ているのだ。性格は正反対だけれど。奴の顔を見ていると元カレを思い出す。だから別に、奴自身が嫌いなわけじゃない。奴が悪い人じゃないことくらい充分すぎるほど知っている。でも、私はまだ。男の人を信じるのは怖い。
「ちゃんと真壁くんと向き合ってあげなよ」
「……」
昼食を食べ終えたらしい奴は立ち上がり食器を返すと、食堂の出口に向かう。その途中、不意に目が合って。なかなか笑わない彼が少しだけ、ほんの少しだけ口角を上げて、穏やかな顔をした。
「あんなに愛されてるんだからさ」
里穂ちゃんの言葉に、私は慌てて奴から目を逸らした。知っている。私は、溺れるのが怖いだけだ。