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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第5章 入院

澤北先生もまた……挙手の形をとる。


「はい、主治医で保護者になります。澤北優です」


状況は、まさかの先をゆく。
え、2人ともなの……?!

わたしは驚いて目を見開く。でも……
クールな澤北先生は、井田先生よりその挙動が似合わず、ちぐはぐな感じに、少し笑ってしまった。

「……なぜ笑う……」

井田先生も、澤北先生を見て笑っている。澤北先生は右手はそのままに、井田先生を睨む。

……いや、笑っている場合でもなさそうだ。


井田先生がわたしに目で合図をする。
目では『白河さんの番だよ』と訴えていて、とりあえず、2人に習ってゆっくりと右手を挙げた。

「あの、えっと……白河咲です……?」

首を傾げながら言う。
井田先生が一つ、手を打ちながら言った。

「はい、ということで! よろしくお願いします!!」

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