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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第6章 メゾンボナール305号室

「優、春ちゃんが怒る」

当直明け、寝室で寝ていた優が、そろそろ起きる時間だと思って駆け込む。そこら辺はしっかり計算して助けを求める。
ベッドで寝ている優にすがるように言うと、優が眠そうな目でわたしの頭をポンポンと叩いた。

「もー、うるさい。静かにしろ……何悪いことしたんだ?」

優は口では疎ましがりながらも、ちゃんと話は聞いてくれる。

「……洗濯物にティッシュ入れちゃった」

「春斗もそんくらい許してや……」

優は半分呆れた顔で言いかけて固まる。

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