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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第8章 本当の話をしよう

ぎゅっと枕を握りしめていた。恐る恐る、声をかけると、2人は飛び起きた。春ちゃんが駆け寄って抱きしめてくれた。

「大丈夫」

と繰り返す春ちゃんの体温に身を委ねる。
眠れなくなって、ここへ来たことを伝えると、直ぐに布団に入れてくれた。
春ちゃんの体温から離れるのが怖くて、涙を堪えてしがみつく。
母や、あの男のことを思い出しては、胸が苦しくなっていた。だけれど、知りたかった。

春ちゃんの胸に顔を埋めながら、気がつくと、呟いていた。

「さっきの話……聞きたい」

春ちゃんが頭を撫でてくれる。

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