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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第8章 本当の話をしよう

「良いぞ。行っても」

「ほんと?! 」

嬉しくて、持った箸を置くと、身を乗り出した。
目を見開いて、優のことを見る。優は、1口お茶をすすると、なんてことのないように言った。

「定時に上がれたら、抜けられる……まぁ、あまり期待はするな」

「ありがとう……!!」

少しだけでも良かった。お祭りってどんなものなのか、体験したことがなかったから。
でも、楽しそうだったし、行ってみたかった。

想像するだけで、胸が踊る。
ぼんやりしていると、いつの間にかわたしだけが食卓に残されていて、春ちゃんが片付けを始めていた。

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