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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第9章 アメとムチと無知

「……お? 体育どうした?」

3……
訊かれて、目を逸らす。春ちゃんもこれには苦笑いを浮かべて、説明のしようが無かった。

「……足、遅いし、体力ない……」

苦し紛れに言葉を繋げた。

「なんかでも! わたしがいることでクラスのみんなが安心してるというか……!」

そう、わたしより足の遅い人はいないし、わたしより持久走のタイムが遅い人もいない。つまり、わたしがクラスにいるときは、みんなが最下位を免れるので、なんか、みんな安心して走っている。

「こりゃ、おまけの3だな。咲、ちょっとは体力つけろ」

「うぅ……はい」

『3』とれただけでも良い方だよ……と思う。
春ちゃんがすかさず横から、わたし達に言う。

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