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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第9章 アメとムチと無知

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もうやだ、いつまで我慢すれば……。

思いながら治療に関しては2人の言う事が絶対なので逆らうことはできない。
いま、この状況で物理的に抵抗するのは無理しかない。

優が、先か細くなった綿棒のようなものを取り出してきて、わたしは首を振った。これからすることが容易に想像できて、涙を浮かべた。

そんなわたしの気持ちとは関係なく、優は医者……澤北先生の顔で淡々と説明を施す。

「咲、鏡で見たと思うけど、陰部についてる白いのは汚れだ。放っておいてもいいけれど、咲の場合は病気のこともあるから、できるだけ清潔にしておいた方が良いと思う」


優は言いながら鏡を退かした。
結構、白いのあったよ……?

「全部、きれいにするの……?」

恐る恐る優に尋ねる。

「当たり前だ」

無情にもそう返ってきた。


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