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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第11章 落し物に気づく時

「ぅ……」

「正直に」

優は正面から見わたしの表情を捉えて、目を離すことをしない。もじもじしながら、小さい声で告げた。

「お腹、いっぱいで、ちょっと苦しい……」

優は眉間の皺を解いて、今度は目じりに皺を寄せる。……わたしから目を逸らすと、小さく喉を鳴らすように笑っていた。

「……ごめん。食べ過ぎか?」

優が笑いながらそう言うので、恥ずかしくて、膨れながら頬を赤くする。

「もう……笑わないで」

「悪かったって。痛いのかと思って心配したんだわ」

それでも笑いながら、わたしの頭をぽんぽんと撫でる。優の笑顔があまりにも無邪気で、むくれた頬をつい緩めてしまう。

あれから2日が過ぎて、わたしの生理痛は落ち着いた。わたしが始業式で倒れたことは、春ちゃんによって優にも報告された。優によると、痛み止めで痛みが引くくらいなら、生理痛と判断して良いらしい。
病院行きにならずに済んで、心底ほっとしていた。

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