優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第11章 落し物に気づく時
「あの、あの時は本当にありがとう。わたし……生理痛とか慣れてなくて……」
「わかるよ。わたしも痛いときあるし、前に保健室でお世話になったこともあるから」
言いながら、照れたようにはにかんだ。
「角村さんが、大丈夫って言ってくれて、痛いのとかわかってくれて、あの時すごく安心した」
「そう言ってもらえて、よかった」
2人でその場で、うさぎの話をした。
角村さんは、動物の中でも特に猫が好きらしい。
「井田先生、ああ見えても厳しいんだ。次々やることこなさないと急かされる」
笑いながら言うと、彼女も笑った。