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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第11章 落し物に気づく時

「じゃあ、次、猫のお世話行くね。角村さんも一緒に」

「うん!」

角村さんは、わたしの後についてきた。
少し遠くに猫がいる。

「おーい、ご飯だよ〜」

猫はわたしの持っている餌に気づいて、ゆっくりと近寄ってくる。
角村さんの目はきらきらしていて、猫が本当に好きなようだった。そのきらきらしたままの目で、わたしのことも見つめる。

「白河さん、……猫、触れたりする?」

「手を出してみて、匂いを嗅いでもらうの。それが挨拶になるから、受け入れてもらえたら触れるよ」

言いつつ、わたしは挨拶を済ませて喉の下を触った。猫は、気持ちよさそうに目を細める。
今日は機嫌が良さそうだ。

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