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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

受付を済ませて小児科へ向かうと、先に処置室のベッドに寝かせられた。ぐったりし過ぎていたのもあって、待合室のベンチで横になるよりは良いだろうということらしい。

そのまま診察を終えられて、左手に点滴を通された。

「寝ていいぞ」

優にそう声をかけられて、意識が遠のいていきそうになった時ーー。

わたしに付き添う優に、別の先生が話しかけてきた。

「あれ、優先生、今日非番じゃないんですか?」

あぁ、今日、優は休みだったのか……。休みの日にも病院なんて、悪いことしてしまったなぁ。
そんなことを思っていると、なんてことのないように、優が応える。

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