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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

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車で行くと、病院へは10分もかからない。
だけれど、その間に寒気が出てきて、熱とは反対に体がぶるぶると震え出した。

「寒いか?」

優に訊かれて、コクコクと頷く。
言いながら、わたしの額に手を置いた。

「……上がってきてるな」

優が、思わしくない顔をして呟く。

「もうすぐ着くよ、頑張れ〜」

春ちゃんが言いながらハンドルをゆっくりと切る。わたしたちを乗せた車は病院の駐車場へと入っていく。

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