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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第12章 ふたりの憧れ

「ごめんな、力抜いて」

優が、挿した薬が戻って来ないように抑えながら言った。

「よしよし、嫌だね、つらいね」

春ちゃんが、わたしの手を握りながら声をかける。

その時間が永遠のように長く感じる。
終わった頃には恥ずかしさと熱で、頭がぼやけていた。

「……とりあえず、これで一旦、様子見」

優が下着とズボンを元に戻し、布団を掛ける。

「座薬、これで最後になると良いけれど……」

春ちゃんが呟きながら、わたしの頭を撫でた。
もう一回なんて、考えたくもない。

ぎゅっと目をつぶっていたら、いつの間にか寝てしまっていた。

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