テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第3章 校医、澤北優の内科検診

井田春斗とは、桜堂大学医学部生の時からの友人だ。
1年生の時から授業が一緒だったり、実習でずっと同じ班だったりしたこともあって、仲良くなった。俺と春斗は医学部を卒業した後、大学病院に就職したが、春斗は2年間続けた医師をやめ、教員になることを決意した。

その事に関して、全く関係ないとは言いきれなかった俺は、少し負い目を感じていた。
負い目のカバーというのはおこがましいが、春斗が通信制の大学で教員免許取得の間、俺の家に一緒に住むことになった。
その時のまま、2人暮らしはずるずる続いて、俺は大学病院に、春斗は大学附属の学校での勤務になり、今に至る。

手元にあったもう1つのカルテの方に、『腹部、要観察』と記入する。春斗であれば、直ぐに話を取り合ってくれるだろう。
すぐさま職員室に連絡をとって春斗を呼び出すと、案の定直ぐに飛んできた。
児童相談所へ早急に連絡する。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ