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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第3章 校医、澤北優の内科検診

その後、業務に戻り、健康診断を終えて、彼女以外の生徒で気になる生徒がいなかったことを報告する。

春斗が休憩になってから、今一度、2人で白河咲の痣の話をした。春斗はここ数日の彼女の様子から、確証できずに戸惑っていたらしい。

「それなら、疑いの時点で、通告するのがベストだっただろ。幸い、みぞおちの痣は内臓傷つけてなかったけど、かなり危ない位置だったぞ」

ポカッとひとつ、彼の頭を軽く殴りながら。少し語気を強めに言った。
痣の確認ができないため、難しい判断だったのはわかるが、それにしても春斗には優柔不断なところがある。昔からそうだ。
春斗は頭を擦りながら、泣きそうな表情で笑った。迷っている状態から解放され、さらに生徒の安全が保証されたいま、彼がいちばん安心しているに違いない。

「……すみません、判断が難しくて。彼女から話が聴けるような状態にしておこうとは思ったんだけれど」

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