優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第13章 定期検診のお知らせ
「……ほんと。咲が好きな子いるのは何となくわかってたけれど。早乙女先生が言ってた通りでした。どんどん離れていくというか」
春斗が困ったような表情を浮かべながら、素直な気持ちを吐露する。その顔の中に、咲に対する愛おしさがしっかりと見えて、自然と身についた親のような態度を少し羨ましく思う。
俺は、自分があんな表情を浮かべるところが想像できない。
「でしょ? でもまだもう少しは甘えてくると思うよ」
いたずらっぽい笑みを見せて、早乙女先生が言った。
小児科の回診時間が迫ってきていたので、俺は早乙女先生に礼を言うと、診察室を出た。
咲の恋心。春斗とは見守る方向に決めて、わかってはいたけれど、改めて聞くとモヤっとしたものが胸の中をかすめる。
なるべく気にしないように。
そんなことを思いながら、小児科の病棟へ早足で向かった。
春斗が困ったような表情を浮かべながら、素直な気持ちを吐露する。その顔の中に、咲に対する愛おしさがしっかりと見えて、自然と身についた親のような態度を少し羨ましく思う。
俺は、自分があんな表情を浮かべるところが想像できない。
「でしょ? でもまだもう少しは甘えてくると思うよ」
いたずらっぽい笑みを見せて、早乙女先生が言った。
小児科の回診時間が迫ってきていたので、俺は早乙女先生に礼を言うと、診察室を出た。
咲の恋心。春斗とは見守る方向に決めて、わかってはいたけれど、改めて聞くとモヤっとしたものが胸の中をかすめる。
なるべく気にしないように。
そんなことを思いながら、小児科の病棟へ早足で向かった。