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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第3章 校医、澤北優の内科検診

春斗は恐らく、彼女の今後の生活の心配をしたのだろう。学校という場、教員として、生徒を思う気持ちというのは、俺にはわからないところである。
とにかく、命に関わるような状態になってからの発見にならなくてよかったと、2人で安堵した。

安心する春斗の横で俺は、白河咲、という名前に引っかかっていた。いや、正確にはもう、どうして引っかかるのかわかっていた。可能性を打ち消しながら息を吐く。それだけは、考えたくもなかった。

「これからまた病院戻るの?」

春斗にきかれて、思考するのをやめた。
考えても意味が無い、わかったところでどうにかなるもんでもない。強引に蹴りをつける。

「あぁ。まぁでも一応日勤だから、19時には帰ると思うよ、何も無ければ」

「大変だなぁ。何もないといいね」

「そうだな」

のんびりとした春斗の口調が戻ってきて、俺もほっとしていた。

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