優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第16章 3人の年越し
1
その日は眠れなかった。
いつもなら、迷わず隣の部屋に行く。
優と春ちゃんが寝ているところ。
「眠れない」って言ったら、きっと2人の真ん中に寝せてくれる。それで、寝るまで頭を撫でたり手を繋いだりしてくれるはずだ。
でも今日は、部屋に行くことはできない。
せめて、優だけが部屋にいるならよかったけれど…………春ちゃんが部屋にいる。
あぁ、無理、行けない。
ため息をついて、寝返りをひとつ打つ。
壁の模様を手でなぞりながら、眠気が来るのを待とうとした。
でもどうしても眠気は来ない。
頭の中をぐるぐる回るのは、今日の夕方の出来事。
枕元にあった、壊れてしまったいっちゃんのお守りをぎゅっと握りしめると、目をつぶった。
……悪いのはわたし。でもここまでへそを曲げてしまったから、収拾がつかなくなっていた。
その日は眠れなかった。
いつもなら、迷わず隣の部屋に行く。
優と春ちゃんが寝ているところ。
「眠れない」って言ったら、きっと2人の真ん中に寝せてくれる。それで、寝るまで頭を撫でたり手を繋いだりしてくれるはずだ。
でも今日は、部屋に行くことはできない。
せめて、優だけが部屋にいるならよかったけれど…………春ちゃんが部屋にいる。
あぁ、無理、行けない。
ため息をついて、寝返りをひとつ打つ。
壁の模様を手でなぞりながら、眠気が来るのを待とうとした。
でもどうしても眠気は来ない。
頭の中をぐるぐる回るのは、今日の夕方の出来事。
枕元にあった、壊れてしまったいっちゃんのお守りをぎゅっと握りしめると、目をつぶった。
……悪いのはわたし。でもここまでへそを曲げてしまったから、収拾がつかなくなっていた。