優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第19章 エピローグ
***
寝たり起きたりを繰り返す。
ゲホゲホと、何度か自分の咳で目が覚めて、その時は、必ず優か春ちゃんが部屋にいた。
ぼんやりする意識で、飲み物を飲んではすぐ横になっていて、時間の感覚がなかった。
はっきり目が覚めたのは、夜。
優も春ちゃんもベッドに入っていて、そろそろ寝る時間になる頃だった。
「あれ、目、覚めちゃったの?」
春ちゃんが、わたしの顔をのぞきこんだ。
「うん」
ぱっちりと冴えてしまった目を瞬かせながら、頷く。熱も微熱くらいに落ち着いて、頭もすっきりしていた。
でも、咳だけが止まらない。
ケホケホと始まった咳は、もう今日で何度目か。
全然止まる気配がなくて、息が苦しくなってきた。
「咲、春斗の方向いて横になれ」
優に言われるがままに寝返りを打つと、大きな手で、背中をさすられた。
「よしよし、ちょっと苦しいな」
体が楽になるところをさすってもらっているのに、一向に咳が止まらなくて、息苦しい。
「ほーら、おいで〜」
春ちゃんが両手を広げて、にっこり笑った。
ぎゅっと抱きしめられたくなって、春ちゃんに近寄ると、春ちゃんが腕に力を込めた。
「苦しいね。大丈夫、大丈夫」
抱きしめられて、ふんわりと頭を撫でられたら、なんだか懐かしさが込み上げてきて、泣きそうになっていた。
ようやく咳が収まった頃に、優の手がわたしの頭を撫でていた。
前からも後ろからも、温かい温度に温められながら、そっと目を瞑る。
寝たり起きたりを繰り返す。
ゲホゲホと、何度か自分の咳で目が覚めて、その時は、必ず優か春ちゃんが部屋にいた。
ぼんやりする意識で、飲み物を飲んではすぐ横になっていて、時間の感覚がなかった。
はっきり目が覚めたのは、夜。
優も春ちゃんもベッドに入っていて、そろそろ寝る時間になる頃だった。
「あれ、目、覚めちゃったの?」
春ちゃんが、わたしの顔をのぞきこんだ。
「うん」
ぱっちりと冴えてしまった目を瞬かせながら、頷く。熱も微熱くらいに落ち着いて、頭もすっきりしていた。
でも、咳だけが止まらない。
ケホケホと始まった咳は、もう今日で何度目か。
全然止まる気配がなくて、息が苦しくなってきた。
「咲、春斗の方向いて横になれ」
優に言われるがままに寝返りを打つと、大きな手で、背中をさすられた。
「よしよし、ちょっと苦しいな」
体が楽になるところをさすってもらっているのに、一向に咳が止まらなくて、息苦しい。
「ほーら、おいで〜」
春ちゃんが両手を広げて、にっこり笑った。
ぎゅっと抱きしめられたくなって、春ちゃんに近寄ると、春ちゃんが腕に力を込めた。
「苦しいね。大丈夫、大丈夫」
抱きしめられて、ふんわりと頭を撫でられたら、なんだか懐かしさが込み上げてきて、泣きそうになっていた。
ようやく咳が収まった頃に、優の手がわたしの頭を撫でていた。
前からも後ろからも、温かい温度に温められながら、そっと目を瞑る。