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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第21章 番外編 ちょっとそこまで

「……なんだい……」

「うふ。俺が動物か何かにでも見えてるかな?」

ああ。犬にしか見えんな。
答えようとした言葉を飲み込んで、聞き返す。

「……なんでそう思う?」

「何となく、優が動物に向ける目を俺に向けてたから」

……それはどう言った目なのか。
思案していると、そのままリビングへと背中を押された。

俺はソファに腰掛け、春斗はキッチンへ向かった。
コーヒーを淹れる匂いが、リビング中に立ち込める。

オープンキッチンの向こう側、マグカップを持った春斗がうきうきと近づいてくる。



そうして俺のマグカップを差し出しながら、耐えかねて話し始めた。


「ねぇ、優。2人でどこか行こうよ」

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