優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第4章 それぞれの午後7時
沈黙をそっと破るように、俺は言った。
「……そういえば、今日の夕食、何だったんだ?」
春斗は気が抜けたような顔をする。
「ん?カレーだよ……あぁ、もう日付変わってんのか」
時刻は深夜0時半。もう明日が来ていた。
ほっとしたら、お腹が空いていたことに気づく。そういえば、昼から何も口にしていない。
「せっかくだし、食べに帰るか」
春斗の料理はおいしい。すごく凝ったものはつくらないが、いつも安定してほっとするような味の料理を出して来てくれる。
「置いたカレーの方が美味しいって言うしね。……あ、福神漬けないよ」
「……なくても食える」
春斗がイタズラするように笑う。
いつもの調子に戻ってきたことが嬉しい。
からかうように、春斗は言った。
「大人になったね。ずっと思ってたけど、そのコーヒー、砂糖入ってないでしょ。飲んであげようか?」
「ちょっと黙れ」
俺は、口に合わない苦いコーヒー煽る。
やっぱりおいしくないなと思いつつも、悔しくて飲み切った。
「うわ、飲んだ。優はほんと、負けず嫌いっていうか」
負けず嫌いと言われるのが何となく嫌で、春斗を睨みつけた。
「春斗。口、縫合してやろうか?」
「おー、こわこわ。医者は敵に回せないね」
春斗はそう言って、笑いながら首を竦める。
「……そういえば、今日の夕食、何だったんだ?」
春斗は気が抜けたような顔をする。
「ん?カレーだよ……あぁ、もう日付変わってんのか」
時刻は深夜0時半。もう明日が来ていた。
ほっとしたら、お腹が空いていたことに気づく。そういえば、昼から何も口にしていない。
「せっかくだし、食べに帰るか」
春斗の料理はおいしい。すごく凝ったものはつくらないが、いつも安定してほっとするような味の料理を出して来てくれる。
「置いたカレーの方が美味しいって言うしね。……あ、福神漬けないよ」
「……なくても食える」
春斗がイタズラするように笑う。
いつもの調子に戻ってきたことが嬉しい。
からかうように、春斗は言った。
「大人になったね。ずっと思ってたけど、そのコーヒー、砂糖入ってないでしょ。飲んであげようか?」
「ちょっと黙れ」
俺は、口に合わない苦いコーヒー煽る。
やっぱりおいしくないなと思いつつも、悔しくて飲み切った。
「うわ、飲んだ。優はほんと、負けず嫌いっていうか」
負けず嫌いと言われるのが何となく嫌で、春斗を睨みつけた。
「春斗。口、縫合してやろうか?」
「おー、こわこわ。医者は敵に回せないね」
春斗はそう言って、笑いながら首を竦める。