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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第4章 それぞれの午後7時

「……折れてはないんだな」

俺がそう言うと、春斗は頷いた。

「そう、折れてはない。助かったなら、先生として、その先を絶対に繋いでやらなくちゃって。話してて思った」

泣きそうになりながら、笑う。
今まで、そんな顔を何度も見てきた。
そういう素直で真っ直ぐなところが、俺には無くて、春斗にはある。
春斗はもう、大丈夫だ。俺がそう思うのと同時に、彼もこれ以上は何も言わなかった。

最初とは、違う空気が流れている。深夜の屋上は静かな街を見下ろす。眼下に広がる灯りは少なく、その全てはすっぽりと月の光に覆われていた。

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