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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第5章 入院

「消毒するぞ、ちょっと冷たい」

澤北先生が、脱脂綿でおしっこが出る穴を消毒する。恥ずかしいところが、反射でビクッと動く。
いつも一瞬だけ、変な気持ちになるところも、消毒で擦られて息を止めた。すかさず井田先生が言う。

「ゆっくり呼吸して、力抜いてて」

言われた通りにしていると、井田先生が澤北先生に目で合図を出す。

「新しい管、入るよ」

澤北先生が言うと同時に、今度は管が穴にあてがわれて、ゆっくりと体の中に入ってくる。

「いっ……いい……たい」

声を絞り出す。掠れて小さな声が、かろうじて音になって、空間に消えた。

「ごめんな、あとちょっとな。頑張れ頑張れ」

澤北先生は、言いながら挿入する手は緩めない。

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