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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第5章 入院

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そうして入院生活は3週間に及んだ。
その間は母もあの男も見舞いに現れなかったのは、先生たちの配慮だろうと感じた。わたしも今更会いたいとも思わなかった。

3日後に退院が迫ったその日。
窓から入る陽光が気持ちよくて、目を瞑る。
もう5月の1週目が終わろうとしていた。世間はゴールデンウィーク。

病室は、かけ離れた静けさ。

井田先生、プランターの朝顔、もう種まきしちゃったかなぁ。

昼ごはんも終わってやることもなく、ぼんやり考えながら、うたた寝していた時だった。

コンコンコンッーー。

病室にノックの音が響いて、慌てて飛び起きる。

「ちょっといいか?」

澤北先生の声が聞こえて、背筋が伸びる。

「……大丈夫です」

ひぇ、なんだろう。突然診察とか言われないかな……と内心ヒヤヒヤしていると、カーテンが空いた。

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