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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第5章 入院

首をぶんぶんと横に振る。
もうあの家に帰らなくて良いことにとてもほっとしていた。次の家のことも心配だが、もう理不尽に暴力が振るわれることがないと思うと、住めるならどこだっていいとさえ思っていた。

「もう少し体力が回復して、新しい家に帰れるようになったら、言うから。ここで過ごすことに、心配はいらない」

少し笑いながら、澤北先生はわたしの事を見つめる。何となく、その笑顔が井田先生に似ていて、本当に仲がいいんだなぁと思っていた。

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