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龍と鳳

第8章 プリケツ

これでタマゴが出来るのかな?
なんだ、意外と簡単なことだったんじゃん?

智がさっぱり教えてくれないから、オレはいつも誘うばっかりで、してくれるのを待ってるしか出来なかったんだけど。

やり方さえ分かれば、後は簡単だ。
寝てる智にプリプリすれば良いんじゃん。

「へへっ」

オレは嬉しくなってきた。

「…………」

「おまえの尻、結構柔らかいね」

あんま喋んないから気を遣って褒めてみた。
すると、触れ合ってる相手の背中が丸まって、小刻みに震え出す。

「ふっ…お前の尻は筋肉質で結構固いよ…ぷぷっ…」

気のせいか、何だか声が笑ってるみたいに聞こえる?
元気が出て来たなら良いことだ。

とにかくオレは交尾を習得しないと。
智のタマゴ産むんだから頑張るし!

何回ぐらいプリプリしたらいいんだろ。
多分いっぱいした方が良いよね?



プリプリプリ。

ふりふりふりふり。

あ、それ、プリプリプリ。

ふりふりふりふり。

プリプリプリプリ、ふりふりふりふりプリプリ。

ふんっ。

ふんっ。



途中で、力を入れた方が良いかもしれないと思いつき、気合を入れて尻をこすりつけてたら。

「くっ…くくくっ…
あはははっ!やめろっって!!
はははははっ!!
何なのお前、気持ち悪いぃぃ!!!」

背中で大爆笑された。

組み合っていた腕を解くと、人間はニノミヤって名乗って。涙を拭いながら笑ってる。

ポケットから白い小さな箱を取り出すと何かを口に入れたから、なんだろ、って思って。
じーっと見てたらオレにもくれた。

「何これ?」

言いながら手の平に乗せられた白い粒を口に入れてみる。
途端に物凄いビリビリが喉を刺した。

「か~っ、何だこれ!?
ぺっ、ぺぺっ」

あまりにもビックリして思わず体が飛び跳ねる。

「めちゃめちゃカライじゃん、何なの??
山葵?それとも辛子か!?」

オレが言ったら、ニノミヤは薄茶の瞳で不思議そうにオレを見てた。

「フリスクだよ…
てゆうか、お前、今、羽根が…」

ニノミヤが目を擦りながら小声でつぶやいた。






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