メランコリック・ウォール
第23章 愛でて撫でる
ドアを軽くノックすると、すぐに彼が私の手を引いた。
「やっと来た」
部屋にすべりこみ、そのまま強い抱擁。
「ふふっ。さっきまで一緒の空間にいたのにね」
「早く終われって、それしか考えてなかった。はは」
「ねぇ、それ…」
「あ、これ?持ってけって渡されたから、ありがたく頂戴してきた(笑)飲もう」
「わぁ、いいね!」
キョウちゃんがもらってきたという日本酒をコップに注ぎ、電気を消した。
よく晴れた夜で、月がほわりと私たちを照らしている。
「今日ね、またキョウちゃんと星が見れたらなぁって…思ってたんだ。嬉しい」
「アキが二次会に行ったらどうしようかと思ったよ。」
肩を抱かれ、時折お酒を分け合って口に含む。
どちらからともなく見つめ合い、今日もう何度目か分からないキスをした。
暗い部屋、こうして長いこと舌を交わらせているとたまらなくなる。
全身の力が抜け、ぱたりとキョウちゃんに身を任せた。
そのまま、敷いてあった布団に優しく寝かされる。
首に両手を回すと、それに答えた彼が短い息を吐き、私の首すじに吸い付いた。
「ぁ…んっーーー」
なめらかにうごめく舌が、私の首や耳を濡らしていく。
キョウちゃんの唾液の音が耳に響き、私の深部がきゅっと反応する。
「はぁ…っんーーーキョウちゃん……」
「アキ…綺麗だよ。たまんない…」
吐息混じりの彼のささやきが脳を愛撫する。
月明かりが私の鎖骨を照らし、染みた赤い痕が際立った。
あらためてじっと見つめられると、恥ずかしくて居られない。
ゆっくりと…キョウちゃんは私の浴衣を引いた。
白い下着があらわになり、なおも彼は私を視線で犯す。
「見ないで………」
隠そうとした両方の腕を広げて拘束され、たっぷりと湿った舌が唇に入ってくる。
「ん……ぁ……っ…」
無意識に足に力が入り、もっと先の刺激を深部が求めている。