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メランコリック・ウォール

第47章 Red Line


「はい…。」

私はやっときんつばを一口食べた。


「あ、美味しい…」

「ね?大げさに言えば、幸せでしょう?」


マサエさんは微笑み、残りのきんつばを頬張った。


「アキちゃん、色々あるけど、結局はね。1番愛した人と人生を終えれば勝ちよ。ふふふ」


――その夜、キョウちゃんにふんわりと抱きしめられて眠りにつく頃、しみじみと思った。

私は今まで、このような幸せを知らなかった。

あたたかく、尊い。

このまま目覚めなくても良いとさえ思える安心感。


「キョウちゃん」

「どした?」

「ううん…なんでもない。」

ぎゅっと彼の寝間着を握りしめると、彼はふふっと笑って私の髪を撫でた。







「んぁっん…キョウちゃん…っ――汗、かいてる…から…」

「いいの。」


朝からお父様とマサエさんはお出かけで、私は午前中の水やりを終えたところだった。


縁側で煙草を吸っていた彼に麦茶を出すと、色のある視線が私を犯した。


8月の日差しで汗ばんだ肌に、白いワンピースが張り付いている。


「し…シャワー浴びてから…っ」

Tシャツに入ってこようとする彼の手を制しながら言うが、お構いなしで今度は首筋に吸い付かれる。


「アキ…したい」


思わずふと力が弱まったところをするりと通り抜け、乳房がまさぐられた。


「んんっ…っ――」


キョウちゃんは私の表情を愉しむように乳首を優しく撫でる。


「ぁんっ…」


まだお昼前なのに、縁側で発情している私たちは滑稽だろうか。

でも、ここには誰もいない。
私たち以外には…―――。



「こっち向いて…」

太陽に照らされる中、あらわになった素肌が恥ずかしい。


キョウちゃんは顔をそむける私を見つめ、硬直した先端をゆっくりと埋めた。


じっとりと汗が浮く互いの皮膚を、惜しむように撫でた。


深く侵入してくる肉棒は脳天まで突き上がり、奥歯を溶かした。



「はぁッ…――アキ…愛してるよ…――」



悦楽に浸ったその時、キョウちゃんの熱い体液が私に注がれた。


果ててから微笑み合う時間、ゆっくりゆっくりと私の深部が熱い液を飲み込んでいくようだった。


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