メランコリック・ウォール
第16章 ラムネ味
「…んんぁ…っ…はあ…」
下着の上から胸をゆっくりと持ち上げ、優しく揉みしだいた。
「あ……ん…っ…」
どこか乱暴なキスとは裏腹に、大切に触れてくれる彼が愛おしくてたまらなくなる。
初めて触られた乳房は、もっと、もっとと刺激を欲している。
ぬるりと舌がこすれる刺激だけでも果ててしまいそうなのに…ーーー。
ヒクヒクと足が震えだすと、キョウちゃんはやっと唇を解放してくれた。
「アキ…もし今2人きりだったら、俺止まらないよ。そしたら…」
「…そしたら?」
「もう戻れなくなる。」
「…んっ…ぁあ…ー」
耳を喰まれ、その舌は首すじに下がっていく。
ついにブラジャーの中に入ってきた彼の指は、乳房の先端を優しく撫でた。
「あぁっ…ん、だ…めぇ…っーー」
「アキ…好きだよ…めちゃくちゃ抱きたいよ…」
ささやきが脳内にこだまする。
低い声は私を快楽へと誘った。
「んんっ…ーん、んーっ……っ」
ーーー声を押し殺すように、キョウちゃんの肩に唇を押し付けて果てた。
触れられてもいない下半身がぶるっと震え、全身がこわばる。
「ん…はぁ…はぁ……」
…
やがて脱力すると、彼がきゅっと抱きしめてくれる。
「キョウちゃん…」
「ん」
「好きで…たまらないの…」
「お願いだからこれ以上かわいいこと言わないで」
「んぅ…」
「好きでたまらなくなると、…欲しくなるだろ?」
「うん…」
「俺はずっと前から、そう。我慢してんだから、いじめんなよ」
大きな彼に包まれ、近くには関係者が大勢いるのに…私は悦に浸っていた。
我慢しないで…抱いて…。
もしそう言えたら、キョウちゃんはどんな顔をするだろう。
「いつも私ばっかり…」
「アキ、感じやすいのな」
おちょくるように彼が言った。
「キョウちゃんだからだよ…。キスしただけで、とっても気持ちいいの」
「ふふっ。も一回する?」
さっきの乱暴なキスではなく、今度はいつもの優しいキス。
あぁ、もうこのまま太陽に溶けてしまいたい。
家になんて帰りたくない。
ずっと、キョウちゃんの腕の中に…ーーー